作者名]大畠まゆみ
[材料] 和紙 クラフト紙 蜜蝋 本文用紙(エトランジェコスタリカ)(87kg)
[寸法・ページ数]120mm×165mm 80頁
[作品説明]
尾形亀之助詩写真集(交差式製本/ロウ引き紙装)
2種類のロウ引き紙を用いた交差式製本による、尾形亀之助の詩写真集です。
本書に収めた写真は、2011年の冬の夜に携帯電話で撮影したもの。解像度も低く、夜の撮影ではピントが合いにくく、ぼんやりとした像になる当時の特性をそのまま活かしています。
もともと、曖昧で得体の知れないものに惹かれる性分でした。撮れなさ加減を楽しむように、不鮮明で絵のような写真を撮りためていた時期の記録でもあります。
その「見えそうで見えない」感覚が、尾形亀之助の詩の断片的で頼りない言葉と響き合うように感じ、今回の制作では詩の挿画として組み合わせました。
詩と写真をどのように並べるか悩みながら構成しましたが、選び終えた今もなお、余白のような迷いが残っています。
表紙は2種類のロウ引き紙を使用。さまざまな紙素材やデザインも試みたかったのですが、手元の紙で制作したため、後になって本文用紙が廃盤だったことを知り、一期一会の仕上がりとなりました。
ぼやけた冬の夜の記憶と、亀之助の詩が静かに交差する一冊です。
[販売価格]1250円
[自己紹介]応用生です。製本についての目下のチャレンジは、毎日コツコツなんかやる、です。